筆者:冨澤敏夫(柔道整復師) N2024/5/3

多飲多尿|犬のアジソン病で水をよく飲み、尿が多い理由や対策法は?

愛犬(犬)のアジソン病で多飲多尿で不安な方へ、原因や対策法、適量の水の量はどのくらいか、尿はどのくらい出るのか?異常の場合と正常の場合は、などの疑問などを回答します。

目次

  1. Q:犬のアジソン病で多飲多尿になる理由はなんですか?
  2. Q:多尿になるか喉が渇き水分を補充して脱水状態を防で多飲になるのか?多飲になるから、尿がたくさん出るのか?どちらのメカニズムですか?それとも、多飲多尿には何か他のメカニズムが働いていますか?
  3. Q:多飲多尿はしょうがないですか、改善させるために薬を飲ませた方が良いのですか、薬は飲ませていますが、フロリネフの量を増やした方が良いですか、また、プレドニゾロンの方が適量(多いor少ない)でないから多飲多尿になるのですか?
  4. Q:多飲多尿が続くと、どんな危険がありますか?プレドニゾロンを飲んでいますが、多飲多尿に影響がありますか、またフロリネフは多飲多尿に効果はありますか?
  5. Q:脱水状態になるのが怖いので、水をたくさん飲ませています。異常に飲むのですが脱水状態になるよりも良いですかね?
  6. Q:うちはフロリネフ錠剤しか投与していませんが、大丈夫でしょうか?
  7. Q:どうも薬の投与の必要性がわかりません?
  8. Q:正常な犬は1日どのくらい水をのみますか?異常な飲水はどのくらいですか?
  9. Q:多飲の場合、水を飲む量を強制的に制限したら何か危険がありますか?

※質問などありましたら、LINEにて解答します。

 

Q:犬のアジソン病で多飲多尿になる理由はなんですか?

類似質問

Q:多尿になるか喉が渇き水分を補充して脱水状態を防で多飲になるのか?多飲になるから、尿がたくさん出るのか?どちらのメカニズムですか?それとも、多飲多尿には何か他のメカニズムが働いていますか?

 

A:過剰によく水を飲み、過剰によくおしっこが出る症状について心配ですね。犬のアジソン病の徴候の一つで、見逃せないので注意してください。

多飲多尿の理由は、下記のメカニズムにあります。

  • 1.鉱質コルチコイド(アルドステロン)の不足: アジソン病では、副腎皮質が正常に機能せず、アルドステロンの産生が低下します。アルドステロンは体内のナトリウムと水分の再吸収を促進し、同時にカリウムの排泄を調節します。アルドステロンの不足により、ナトリウムの再吸収が妨げられ、その結果、尿中のナトリウムと水分の排泄が増加します。このナトリウムと水分の損失により、【犬は喉の渇きを感じて多量の水分を摂取】しようとします。
  • 2.脱水の予防: アジソン病の犬は、多量の尿を排出することにより体内のナトリウムが失われ、脱水のリスクが高まります。このため、犬は喉が渇いて水分を摂取し、脱水状態を防ごうとします。多飲が尿の量を増やすメカニズムとしては、この水分の補給が重要な要因です。
  • 3.水分と電解質のバランスの維持: 多飲多尿の状態では、犬が大量の水分を摂取し、それに伴って多量の尿を排出します。これは体内の水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)のバランスを維持しようとする身体の反応ですが、同時に水分の摂取が増加しているため、多飲多尿の状態が生じます。

以上のように、アジソン病における多飲多尿は、アルドステロンの不足による電解質のバランスの乱れと、その対応としての水分摂取・排泄の制御機構が複合的に関与しています。他にも、犬の体内のさまざまな生理学的反応が影響を及ぼす可能性がありますが、主要な要因はこのようなアルドステロンの不足に起因する水分・電解質の制御の異常です。

 

Q:多飲多尿はしょうがないですか、改善させるために薬を飲ませた方が良いのですか、薬は飲ませていますが、フロリネフの量を増やした方が良いですか、また、プレドニゾロンの方が適量(多いor少ない)でないから多飲多尿になるのですか?

A:多飲多尿の症状は、必ずしもしょうがないことではなく、適切な治療によって、多飲多尿の症状を改善し、犬の健康と快適さを向上させることが必要です。

多飲多尿の改善に以下が参考になります。

  • 1.薬物治療の重要性:アジソン病には薬物治療が必要で、主には鉱質コルチコイドの補充が中心となります。投薬はフロリネフ(フルドロコルチゾン酢酸エステル)で、アルドステロンの不足を補うために使用します。正しい量のフロリネフを投与することで、電解質のバランスが改善され、多飲多尿の症状が軽減される可能性があります。
  • 2.フロリネフの適切な量: フロリネフの投与量は獣医師が診断や犬の状態に基づいて決定します。投与量が不十分である場合、アルドステロンの補充が十分でなく多飲多尿の症状が改善しないことがあります。適切な投与量を確保することがポイントです。
  • 3.プレドニゾロンの影響: プレドニゾロン(糖質コルチコイド)の投与量や影響も考える必要があります。過剰なプレドニゾロンの投与は多飲多尿を悪化させる可能性がありますが、適切な量で多飲多尿に影響なく、他のアジソン病の症状を適切にコントロールすることができます。アジソン病は薬物のバランスを調整し、最適な治療プランが重要です。

まとめと、アジソン病での多飲多尿の症状は適切な治療によって改善できる可能性があります。正確な診断と最適な薬物治療を行うことが重要です。薬の量や種類は犬の状態や血液検査結果によって調整されるため、定期的なフォローアップとコミュニケーションが重要です。

 

Q:多飲多尿が続くと、どんな危険がありますか?プレドニゾロンを飲んでいますが、多飲多尿に影響がありますか、またフロリネフは多飲多尿に効果はありますか?

A:犬のアジソン病において多飲多尿が続くと、色々な危険性があります。

  • 1.脱水: 多量の水分摂取と大量の尿排出が続くことで、体内の水分バランスが乱れ、脱水症状が現れる可能性があります。脱水が進行すると、犬の体調が急激に悪化することがあります。
  • 2.電解質異常: 多尿によってナトリウムやカリウムなどの重要な電解質が失われる可能性があります。これによって、神経や筋肉の機能が影響を受け、異常行動やけいれん、心臓の不整脈などが起こるリスクがあります。
  • 3.一般的な体調の悪化: 多飲多尿によって犬の体力が低下し、体重減少や食欲不振などの一般的な症状が現れる可能性があります。

改善のための治療には投薬の調整が必要です。主に鉱質コルチコイド(フロリネフ錠剤またザイコータル注射液)の最適量の投与と、糖質コルチコイド(プレドニゾロン錠剤)の最適量の投与です。

これは、モニタリングが必要です。かかりつけの獣医師さんの指示に従いましょう。

 

Q:脱水状態になるのが怖いので、水をたくさん飲ませています。異常に飲むのですが脱水状態になるよりも良いですかね?

A:アジソン病の症状で見逃せない多飲多尿の症状は、体内で電解質のバランスが崩れている可能性があります。その原因には鉱質コルチコイドのホルモンが分泌の低下でアルドステロンの産生が不足が考えられます。

その場合は、たくさん水を飲んでも電解質バランスは整わないため、急激に症状が悪化することがあります。

放置しないで、獣医師さんに相談して、原因を突き止めて早期症状の改善に努めましょう。

投薬中のコントロールできない場合の疑うこと

  • 鉱質コルチコイドの投与量が少ない
  • プレドニゾロン錠(糖質コルチコイド)の量が多い
  • 他の病気を疑う

 

Q:うちはフロリネフ錠剤しか投与していませんが、大丈夫でしょうか?

A:アジソン病には定型と非定型があります。非定型の場合は、通常は電解質のバランスが崩れるので、フロリネフ錠剤(鉱質コルチコイド)を投与します。ちなみに定型の場合は、糖質コルチコイドも不足するので、プレドニゾロン錠剤も投与します。

 

Q:どうも薬の投与の必要性がわかりません?

A:アジソン病は副腎皮質ホルモンの不足でおこるため、ホルモンの補充が必要です。体の中で必要なホルモンが分泌されないことが問題です。

 

以下は参考

プレドニゾロン錠剤の投与の必要性と役割

  • 1.低血糖症(低血糖)の改善と予防: 糖質コルチコイドの不足により、肝臓でのブドウ糖の生成が減少します。これにより血糖値が低下し、低血糖症状が現れます。低血糖症は重篤な症状であり、意識障害や発作を引き起こすことがあります。
  • 2.食欲不振や体重減少の改善と予防: 低血糖によりエネルギー供給が不十分となり、犬の食欲が低下し、体重が減少することがあります。
  • 3.筋肉の弱さや脱力感の改善と予防: 低血糖により筋肉のエネルギー供給が不足し、筋力が低下することがあります。
  • 4.神経学的症状の改善と予防: 低血糖は神経系にも影響を与え、神経学的症状(ふらつき、異常行動、意識障害など)が現れることがあります。

フロリネフ(フルドロコルチゾン酢酸エステル)の投与の必要性と役割

  • 1.多飲多尿の改善と予防: 糖質コルチコイドの不足により、腎臓でのナトリウムと水の再吸収が妨げられます。その結果、犬は多量の尿を排出するために多量の水分を摂取しようとします。
  • 2.嘔吐や下痢の改善と予防: アジソン病に伴うストレスや体内の電解質バランスの変化により、消化器系のトラブルが起こることがあります。
  • 3.徐脈(心拍数の低下)の改善と予防: アジソン病によってナトリウムの損失が生じ、これにより血液容量が減少し、心臓の働きが低下するため、徐脈が生じることがあります。
  • 4.血圧の低下の改善と予防: アジソン病に伴うナトリウムの不足と水分の過剰排出により、血液容量が低下し、血圧が低くなることがあります。

Q:正常な犬は1日どのくらい水をのみますか?異常な飲水はどのくらいですか?

A:犬が1日に水を飲む量は犬種や体重、季節や運動前後など出違いますが、目安としては以下の計算で導きます。

1kgで50mlとして、6.0kgの犬であれば300ml前後が正常と考えます。

  • 2kg(約100ml)
  • 6kg(約300ml)
  • 10kg(約500ml)
  • 20kg(約1000ml)

1kgで50mlとして、6.0kgの犬であれば300mlの2倍前後が異常と考えます。

  • 2kg(約200ml)
  • 6kg(約600ml)
  • 10kg(約1000ml)
  • 20kg(約2000ml)

異常な水を飲む量は普段から注意してみてみましょう。

例えば、私の場合は6.0kgのトイプードルは300mlの水が入った器に1杯が1日で減るか減らない程度が正常と考え、2杯目も減りが早い場合は多飲かなと考えています。

犬の異常な水を飲む量は、通常の水の摂取量よりも明らかに多い場合に異常とみなされます。ただし、異常な量としてどの程度の水分摂取が適切かは、犬の体重や日常の行動パターン、気候条件などによって異なります。
一般的には、犬が異常な水分摂取を行っているかどうかを判断するためには、以下の基準を考慮します

  • 1.日常的な摂取量:まずは通常の日常での水分摂取量を把握してください。犬の体重や年齢に応じた通常の水分摂取量を把握しておきます。
  • 2.急激な増加: 突然、犬の水分摂取量が増えた場合は異常です。例えば、通常の数倍以上の水を飲むようになった場合です。
  • 3.持続的な多飲: 犬が継続的に多量の水を飲み続ける場合も異常と考えてください。多尿や他の異常な症状にも関連している場合に注意しましょう。
  • 4.症状の有無: 多飲に伴って多尿や体重減少、食欲不振などの症状が見られる場合です。

犬の体重や日常の行動パターンに基づいて、通常の水分摂取量を把握し、それと比較して異常な量を判断することが重要です。異常な水分摂取が見られる場合は、獣医師に相談して適切な検査や診断を行い、原因を特定する必要があります。

参考:ペットと暮らすWebマガジン「犬の水分補給がうまくできているか不安!チェックポイントと水分の与え方のコツを解説」

 

Q:多飲の場合、水を飲む量を強制的に制限したら何か危険がありますか?

A:多飲の症状がある場合、犬の水分摂取量を強制的に制限することは危険です。なぜなら、過剰に水を飲む状態は、副腎皮質機能不全(アジソン病)や他の健康上の問題の兆候であり、水分の過剰摂取はその症状を軽減するために犬の体が必要としている可能性があるからです。

水の強制的な制限は、脱水症状や電解質のバランスの乱れを引き起こす可能性があり、犬の健康に重大な影響を及ぼすことがあります。

特にアジソン病の犬の場合、副腎危機(アドディソン危機)と呼ばれる重篤な状態が発生するリスクがあります。副腎危機では、副腎皮質ホルモンの急激な不足により、犬の体は生命を維持するために必要なホルモンが不足し、急速に悪化する可能性があります。

アジソン病の場合は、強制的な飲水の制限をしないで、適切な投薬で調整するべきと考えます。

 

 

準備中

アジソン病を持つ犬の飼い主さんの 情報共有や経験の交換の場

私のようにアジソン病の愛犬と暮らす方々が、不安や心配などを共有して励まし合って、愛犬や飼い主がストレスなく暮らせるようにしていきたいと思います。

私で良かったら、少しでもお力になれれば幸いです。気軽にご連絡下さいませ。

冨澤敏夫が[アジソン病の情報交換]グループを作りました。良かったら参加してください。

参加の場合はこちらアジソン病の情報交換

https://line.me/ti/g/k9sDHXl61k

LINEをインストールし、登録した後に上記リンクをタップして[アジソン病の情報交換]グループに参加することができます。

アジソン病の愛犬と暮らす飼い主さんの情報交換の場のLINE|原因と症状、治療と予防|さいたま中央フットケア整体院

 

関連記事

 

 

自己紹介(profile)

NEWS

冨澤敏夫(とみざわ としお)、1969年12月12日生まれ
資格(国家資格:柔道整復師、整体師)

好きな言葉:継続は力なり
特技や趣味:空手、太極拳、健康体操、映画鑑賞、仕事(整体業)、WEB関係
愛読書:原因と結果の法則
好きなアニメ:あしたのジョー、エースをねらえ!


はじめまして、私はさいたま市で整体院を開業しています。愛犬はトイプードルのももちゃんと心(しん)ちゃんと暮らしています。愛犬の病気をきっかけに、このコンテンツを立ち上げました。皆さんのお役に立てればと思い、わんちゃんの健康を中心に、犬の色々な情報を掲載しています。

  • ももちゃん(女の子 2012年5月生まれトイプードル)
  • 心ちゃん(男の 子2013年11月生まれトイプードル)

心ちゃんが遺伝的な病気を持ち闘病中です。

  • アジソン病2019年11月6歳
  • 進行性網膜萎縮症、白内障2023年7月
  • 甲状腺機能低下症2024年4月

上記は正式な診断を受け治療を開始した時で、発症はもう少し前からだと思います。

特に進行性網膜萎縮症は、初期症状に早く気づき早期予防をしていたら、進行をもう少し遅れさせられたかなと後悔しています。

わが家のわんちゃん、トイプードルは6歳の時(2019年)にアジソン病と診断され、投薬を続けています。

9歳(2022年)すぎてから、暗闇で目が見えにくくなり、進行性網膜萎縮と診断されました。治療がないということで放置をしていましたが、2023年に入り急激に白内障など進行して、目の専門の病院へ行き、正式に進行性網膜萎縮と白内障と診断されました。

現在は定期的な検査と、目サプリ・目薬で進行を遅らせています。現在は、2023年11月に体調を崩しててから、急激に左目がひどい白内障でしたが、右目も白内障がひどくなりました。今はたぶん見えない様子です。

2024/4/25に甲状腺機能低下症と言われ、今、投薬を開始しました。経過観察中!

下記は、愛犬の闘病記です。同じ病気を持つ飼い主さんの、役に立てればと

 

ギャラリー(gallery)

a