筆者:冨澤敏夫(整体師、柔道整復師) N2024/4/13

犬のアジソン病の食事管理

 

アジソン病を患っている犬の食事管理は非常に重要であり、特定の栄養素の摂取に注意を払う必要があります。カリウムの摂り過ぎは避け、ナトリウムを適度に増やすことが推奨されています。これは、アジソン病によって体内のナトリウムが低下し、カリウムが過剰になる傾向があるためです。良質なタンパク質と脂質の摂取も重要で、これにはささみや鮭などが含まれます。また、血糖値の急上昇を避けるために、GI値が低い食品を選ぶことが望ましいです。食事に関しては、ストレスを与えないように配慮することも大切で、食事の時間を厳密に決めず、愛犬がリラックスして食べられる環境を整えることが推奨されています。食欲がない場合には、食事を温めたり、お湯でふやかしたりするなどして、食欲を刺激する工夫が有効です。獣医師の指導のもと、個々の犬の状態に合わせた食事計画を立てることが最も重要です。

 

アジソン病の食事管理

アジソン病は犬において副腎皮質機能低下症とも呼ばれ、副腎から分泌されるホルモンの不足により様々な症状が現れる疾患です。この病気は人間でも難病指定を受けており、犬においても適切な治療と日々のケアが必要となります。特に食事管理は、症状のコントロールと予後の改善に重要な役割を果たします。

アジソン病の犬の食事で最も注意すべき点は、カリウムの摂取量を抑えることです。アジソン病の犬は体内のカリウムが高くなりやすく、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。高カリウム血症は、四肢のしびれや嘔吐、不整脈などの症状を引き起こし、最悪の場合は命に関わる状態に至ることもあります。そのため、カリウムが多く含まれるバナナ、メロン、かぼちゃ、サツマイモ、キャベツなどの食材は控えめにする必要があります。

一方で、ナトリウムの摂取を増やすことも推奨されます。アジソン病の治療薬の影響でナトリウムが低下するため、食事を通じて補うことが大切です。また、良質なタンパク質と脂質の摂取も重要であり、ω-3脂肪酸やビタミンなど豊富な栄養を含む食材を選ぶことが望ましいです。ささみ、サバ、鮭などが良質なタンパク質や脂質を提供します。

血糖値の急上昇にも注意が必要です。アジソン病の犬は低血糖を引き起こしやすいため、GI値が高い白米やパンなどは避け、低GI値の食品を選ぶことが推奨されます。キノコ、野菜、魚介類、肉類、玄米などが低GI値の食材の例です。

ストレスもアジソン病の犬にとって重要な管理ポイントです。ストレスは症状を悪化させる原因となるため、食事の際にも愛犬がストレスを感じないような環境を整えることが大切です。食事の時間を厳密に決めず、愛犬が落ち着いて食べられるよう配慮することが求められます。

アジソン病の犬の食事管理は、獣医師の指導のもとで行うことが最も重要です。獣医師は愛犬の状態に合わせた食事プランを提案し、必要に応じて調整を行います。愛犬の健康を守るためにも、専門家のアドバイスを参考にしながら、適切な食事管理を心がけましょう。

 

アジソン病を患った犬の食事の考え方

アジソン病の犬の食事は、血液中の電解質やホルモンのバランスを考えて、適切な食材や量を与えることが大切です。

特に制限はありませんが、塩分の摂り過ぎには注意しましょう。塩分が多いと腎臓に負担をかけて、水分や電解質のバランスが崩れやすくなります。糖分や脂肪分の摂り過ぎは、糖分や脂肪分が多いと血糖値や脂肪代謝に負担を与えます。

アジソン病の犬の食事のポイントは、カリウムの少ない食事とナトリウムが多い食事をすることです。

血液中のカリウム濃度が高くなりやすいので、カリウムが多く含まれる野菜や果物などは与えすぎないようにしましょう。

※カリウムが多い野菜()や果物(スイカ、アポカド、プルーン、バナナ、メロン、キウイ、干しあんずなど)逆に、血液中のナトリウム濃度が低くなりやすいので、ナトリウムが多く含まれる肉類などは積極的に与えましょう。ただし、どちらも与えすぎると体調不良の原因になるので、適度な量にしましょう。

アジソン病の犬は、副腎ホルモンの合成に必要なタンパク質や脂質が不足しがちです。良質なタンパク質や脂質には、ビタミンやω-3脂肪酸などが含まれており、副腎ホルモンの合成を促進してくれます。ささみやサバ、鮭などは良質なタンパク質や脂質を含んでいる食材となります。

アジソン病の犬は、低血糖を起こしやすいので、血糖値を緩やかに上げてくれる低GI値の食材を選びましょう。低GI値の食材としては、野菜やきのこ類、魚介類、肉、玄米ご飯などがあります。

白米やパン、麺類などの高GI値の食材は、血糖値を急激に上げてしまうので、与えすぎないようにしましょう。

アジソン病の犬は、適切な治療と管理を行えば、普通の犬と同じように元気に暮らすことができます。

犬の食事でカリウムの多い野菜は、以下のとおりです。

  • ほうれん草:100gあたり620mg
  • かぼちゃ:100gあたり450mg
  • カリフラワー:100gあたり300mg
  • ゆでたけのこ:100gあたり280mg
  • じゃがいも:100gあたり200mg
  • さつまいも:100gあたり170mg
  • さといも:100gあたり150mg

カリウムは、犬の体内ではナトリウムとバランスを保ち、血圧を調整する役割をしています。また、筋肉の収縮や神経伝達にも関与しています。

しかし、アジソン病や腎臓病の犬は、カリウムを排泄する機能が低下しているため、カリウムの摂り過ぎに注意が必要です。腎臓病の犬にカリウムが多い野菜を与える場合は、量を控えるか、茹でることでカリウムの含有量を減らすことができます。

カリウムの摂り過ぎによる症状としては、嘔吐、下痢、脱水症状、心不全などが挙げられます。

犬に野菜を与える際は、犬の体質や健康状態を考慮して、適切な量を与えるようにしましょう。

犬の食事でナトリウムの多い食品は、以下のとおりです。

  • 加工食品:ドッグフード、おやつ、ジャーキー、ビスケットなど
  • 肉類:豚肉、鶏肉、牛肉、魚介類など
  • 乳製品
  • 味噌
  • 醤油

ナトリウムは、犬の体内の水分バランスを保ち、神経伝達や筋肉の収縮にも関与しています。しかし、過剰に摂取すると、高血圧や心臓病、腎臓病などのリスクが高まります。

成犬の犬の1日のナトリウムの摂取量の目安は、体重1kgあたり0.08gです。体重5kgの犬の場合は、1日あたり0.4gとなります。

犬の食事でナトリウムの摂り過ぎを防ぐためには、以下の点に注意しましょう。

  • 加工食品を与えすぎない
  • 肉類は、皮や脂肪を除いて与えるようにする
  • 卵や乳製品は、適量に与えるようにする
  • 塩や味噌、醤油を加える際は、控えめにする

腎臓病の犬は、ナトリウムの排泄機能が低下しているため、特に注意が必要です。腎臓病の犬にナトリウムの多い食品を与える場合は、量を控えるか、与えないようにしましょう。

犬の食事でナトリウムの摂り過ぎを防ぐことで、犬の健康を守ることができます。

 

アジソン病を持つ犬の飼い主さんの 情報共有や経験の交換の場

私のようにアジソン病の愛犬と暮らす方々が、不安や心配などを共有して励まし合って、愛犬や飼い主がストレスなく暮らせるようにしていきたいと思います。

私で良かったら、少しでもお力になれれば幸いです。気軽にご連絡下さいませ。

冨澤敏夫が[アジソン病の情報交換]グループを作りました。良かったら参加してください。

参加の場合はこちらアジソン病の情報交換

https://line.me/ti/g/k9sDHXl61k

LINEをインストールし、登録した後に上記リンクをタップして[アジソン病の情報交換]グループに参加することができます。

アジソン病の愛犬と暮らす飼い主さんの情報交換の場のLINE|原因と症状、治療と予防|さいたま中央フットケア整体院

 

 

関連記事

 

 

自己紹介(profile)

NEWS

冨澤敏夫(とみざわ としお)、1969年12月12日生まれ
資格(国家資格:柔道整復師、整体師)

好きな言葉:継続は力なり
特技や趣味:空手、太極拳、健康体操、映画鑑賞、仕事(整体業)、WEB関係
愛読書:原因と結果の法則
好きなアニメ:あしたのジョー、エースをねらえ!


はじめまして、私はさいたま市で整体院を開業しています。愛犬はトイプードルのももちゃんと心(しん)ちゃんと暮らしています。愛犬の病気をきっかけに、このコンテンツを立ち上げました。皆さんのお役に立てればと思い、わんちゃんの健康を中心に、犬の色々な情報を掲載しています。

  • ももちゃん(女の子 2012年5月生まれトイプードル)
  • 心ちゃん(男の 子2013年11月生まれトイプードル)

心ちゃんが遺伝的な病気を持ち闘病中です。

  • アジソン病2019年11月6歳
  • 進行性網膜萎縮症、白内障2023年7月
  • 甲状腺機能低下症2024年4月

上記は正式な診断を受け治療を開始した時で、発症はもう少し前からだと思います。

特に進行性網膜萎縮症は、初期症状に早く気づき早期予防をしていたら、進行をもう少し遅れさせられたかなと後悔しています。

わが家のわんちゃん、トイプードルは6歳の時(2019年)にアジソン病と診断され、投薬を続けています。

9歳(2022年)すぎてから、暗闇で目が見えにくくなり、進行性網膜萎縮と診断されました。治療がないということで放置をしていましたが、2023年に入り急激に白内障など進行して、目の専門の病院へ行き、正式に進行性網膜萎縮と白内障と診断されました。

現在は定期的な検査と、目サプリ・目薬で進行を遅らせています。現在は、2023年11月に体調を崩しててから、急激に左目がひどい白内障でしたが、右目も白内障がひどくなりました。今はたぶん見えない様子です。

2024/4/25に甲状腺機能低下症と言われ、今、投薬を開始しました。経過観察中!

下記は、愛犬の闘病記です。同じ病気を持つ飼い主さんの、役に立てればと