筆者:冨澤敏夫(整体師、柔道整復師) N2024/4/13

犬のアジソン病の検査

 

 

アジソン病の検査

アジソン病は、副腎皮質ホルモンの不足によって引き起こされる疾患で、人間だけでなく犬にも見られます。犬のアジソン病は、特に若年から中高齢の犬に発症することが多く、メスに多い傾向があります。症状は風邪に似ており、食欲不振、体重減少、多飲多尿などが見られますが、これらは他の病気とも共通しているため、診断が難しい場合があります。

犬のアジソン病の診断には、血液検査とACTH刺激試験が一般的に用いられます。血液検査では、ナトリウムやカリウムなどの電解質のバランスを調べ、ACTH刺激試験では副腎皮質ホルモンの分泌能力を評価します。これらの検査により、アジソン病の診断が行われます。

アジソン病(副腎皮質機能低下症)の犬では、BUN(血中尿素窒素)の値が高くなることがあります³。BUNは血液中に含まれる尿素に含まれる窒素を測定した結果で、健康な犬でも健康診断などでは必ず血液検査の項目に含まれています。BUNの値が高いとき、体内では以下のような状態が考えられます。

  • 脱水や尿毒症、尿路閉塞、中毒症、低酸素状態などが引き起こされています。
  • 腎臓で正常なろ過が行われずに血液中に窒素がたくさん残っていると、BUN数値が高くなります。
  • 肝臓機能低下やタンパク質の摂取障害などでBUN値は低くなります。

治療には、ホルモン補充療法が中心となり、犬の状態に応じて鉱質コルチコイドや糖質コルチコイドが投与されます。アジソン病は完治することは難しいですが、適切な治療と管理により、犬は健康的な生活を送ることが可能です。

アジソン病の犬は定期的な検査が必要であり、飼い主は犬の日常の変化に注意を払い、症状の早期発見に努めることが大切です。また、ストレスが症状を悪化させる要因となるため、犬のストレス管理も重要なポイントです。

犬のアジソン病に関する詳細な情報や、検査方法、治療法については、専門の獣医師に相談することをお勧めします。獣医師は、犬の個々の状態に合わせた最適な治療計画を提案し、犬と飼い主の両方にとって最良のサポートを提供できます。犬のアジソン病は、適切なケアと注意により、犬が快適に生活できるよう管理することが可能です。犬の健康と幸福のために、アジソン病について知識を持ち、早期発見と治療に努めましょう。

 

よくある質問

ここでは、検査についての疑問をお答えします。(医師でないため参考として確認下さい。詳しくは獣医師にお聞きください。

Q:犬のアジソン病で、経過を観察していく場合、検査の項目は、どの項目を観察して行きますか?

A:犬のアジソン病の経過観察においては、以下の検査項目が重要です。

  • 血液検査:血糖値や電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)の測定を行い、特にカリウムの数値が高いと心不全につながるため、迅速な対応が必要です。
  • ACTH刺激試験:副腎皮質ホルモンを分泌させるための命令を下すACTHを投与し、その前後で血中コルチゾール濃度を測定します。ACTH投与後の血中コルチゾール濃度が基準値未満であればアジソン病と診断されます。
  • 腹部超音波検査(エコー検査):副腎の状態を観察するために行われます。

これらの検査を定期的に行い、犬の健康状態をモニタリングすることが大切です。アジソン病は治療が必要な病気であり、適切な管理と治療を行うことで、犬は元気に暮らすことができます。検査結果に基づいて、獣医師は最適な治療計画を立てることができますので、定期的な検査が非常に重要です。

Q:犬のアジソン病で、血液検査での血糖値を経過観察していく理由を教えてください。

A:犬のアジソン病において血液検査で血糖値を経過観察する理由は、アジソン病が副腎皮質ホルモンの不足によって引き起こされるためです。副腎皮質ホルモンには、体の代謝やストレスへの対応を調節する役割があり、これらのホルモンの一つにグルココルチコイドが含まれます。グルココルチコイドは血糖値を上昇させる作用があるため、その不足は低血糖を引き起こす可能性があります。
低血糖は、意識障害やけいれんなどを引き起こす重大な状態につながることがあるため、アジソン病の犬では血糖値を定期的にチェックし、必要に応じて治療を調整することが重要です。また、アジソン病の犬はストレスに対する耐性が低下しているため、血糖値の変動が大きくなりやすいです。そのため、血糖値の経過観察は、犬の健康状態をモニタリングし、適切な治療を行うために不可欠なのです。
獣医師はこれらの情報をもとに、アジソン病の犬の治療計画を立て、病状の進行を抑え、犬の生活の質を向上させることができます。定期的な血液検査は、アジソン病の管理において非常に重要な役割を果たします。

Q:犬のアジソン病の超音波検査、エコーで何を検査していくのですか?

犬のアジソン病における超音波検査(エコー検査)では、主に副腎の大きさや形状を評価します。アジソン病は副腎皮質機能低下症とも呼ばれ、副腎が適切にホルモンを分泌できない状態を指します。エコー検査により、副腎の委縮や異常がないかを確認し、診断の手助けとなります。具体的には、以下の点に注目して検査が行われます。

  • 副腎のサイズ:アジソン病の犬では、副腎が通常よりも小さくなっていることが多いです。
  • 副腎の形状:副腎の形が不規則であるか、または他の異常が見られるかをチェックします。
  • 周囲組織との関係:副腎周囲の組織との関係や、異常な組織が副腎に影響を与えていないかを観察します。

これらの観察により、獣医師はアジソン病の診断を補助し、治療計画を立てるための重要な情報を得ることができます。定期的な超音波検査は、治療の効果をモニタリングし、必要に応じて治療法を調整するのに役立ちます。アジソン病は適切な管理と治療により、犬が健康的な生活を送ることを助けることができる病気です。定期的なフォローアップと検査が非常に重要です。

Q:犬のアジソン病でACTH刺激試験は、定期的に何の目的で行いますか?検査を受けるときの注意電話はありますか?

A:犬のアジソン病でACTH刺激試験を定期的に行う主な目的は、副腎皮質ホルモンの機能を評価し、治療の効果をモニタリングすることです。ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を投与して、副腎が適切にコルチゾールを分泌しているかを確認します。この試験は、アジソン病の診断を確定するため、または治療中の副腎機能の変化を追跡するために重要です。検査を受ける際の注意点としては、以下の点が挙げられます。

  • 空腹時に行う:できるだけ空腹時の午前中に検査を行うことが推奨されています。
  • ストレスを避ける:検査結果はストレスに影響されることがあるため、犬が普段通りの状態でいられるように注意する必要があります。特に神経質な犬は、病院内での検査だけで強いストレスを感じ、コルチゾール濃度が上昇することがあります。
  • 副反応に注意:ACTH刺激試験に用いる合成ACTH製剤では、稀に呼吸困難や低血圧などのショック様症状が起こることがあるため、動物病院ではそれに対処する準備をしています。

これらの点に注意しながら、獣医師の指示に従って検査を行うことが大切です。定期的なACTH刺激試験により、アジソン病の犬の健康管理と治療の最適化が可能になります。検査には時間がかかることもあるため、獣医師とよく相談し、検査日のスケジュールを調整してください。

Q:現在、プレドニゾロンを服用させていますが、いつも通りに飲ませて検査しますか?

A:プレドニゾロンは犬のアジソン病の治療に使用されるステロイド薬で、副腎皮質ホルモンの不足を補うために処方されます。ACTH刺激試験を行う際には、プレドニゾロンの服用が検査結果に影響を与える可能性があるため、通常は検査前に一時的に中止することが推奨されます。
しかし、これは一般的なガイドラインであり、実際の検査プロトコルは犬の健康状態や治療の経過によって異なる場合があります。そのため、検査を行う前に獣医師に相談し、犬の現在の状態や治療計画に基づいて、プレドニゾロンの服用を続けるかどうかの指示を受けることが重要です。獣医師は、犬の健康と安全を最優先に考えて、最適なアドバイスを提供してくれます。
検査の正確な結果を得るためには、獣医師の指示に従ってください。また、検査日に関しても、獣医師と事前によく話し合い、犬が最もリラックスできる環境で検査を受けられるように準備をしておくと良いでしょう。プレドニゾロンの服用に関する獣医師の指示に従うことで、犬のアジソン病の管理と治療が適切に行われます。

Q:犬のアジソン病でカリウム値が高くなると、心不全に繋がる理由、メカニズムを教えてください。

A:犬のアジソン病でカリウム値が高くなると心不全につながる理由は、アジソン病が副腎皮質ホルモンの不足を引き起こし、その中でも特にミネラルコルチコイドの不足が電解質バランスに影響を与えるためです。ミネラルコルチコイドは体内のナトリウムとカリウムのバランスを調節する役割を持っています。このホルモンが不足すると、ナトリウムが排出されやすくなり、カリウムが体内に留まりやすくなります。その結果、血中のカリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こします。
高カリウム血症は心筋の電気活動に影響を与え、正常なリズムを乱すことがあります。カリウムは細胞内外の電位差を維持するために重要な電解質であり、その濃度が高くなると心筋細胞の興奮性が変化し、心拍のリズムが不整になる可能性があります。これが進行すると、心室細動や心停止などの重篤な不整脈を引き起こし、最終的には心不全に至る可能性があります。
したがって、アジソン病の犬では、定期的な血液検査によるカリウム値のモニタリングが重要であり、高カリウム血症の兆候が見られた場合は迅速な治療が必要です。獣医師は、カリウム値の上昇を抑えるための治療法を提案し、犬の健康状態を安定させるための対策を講じます。適切な管理と治療により、アジソン病の犬も健康的な生活を送ることができます。

 

アジソン病を持つ犬の飼い主さんの 情報共有や経験の交換の場

私のようにアジソン病の愛犬と暮らす方々が、不安や心配などを共有して励まし合って、愛犬や飼い主がストレスなく暮らせるようにしていきたいと思います。

私で良かったら、少しでもお力になれれば幸いです。気軽にご連絡下さいませ。

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自己紹介(profile)

NEWS

冨澤敏夫(とみざわ としお)、1969年12月12日生まれ
資格(国家資格:柔道整復師、整体師)

好きな言葉:継続は力なり
特技や趣味:空手、太極拳、健康体操、映画鑑賞、仕事(整体業)、WEB関係
愛読書:原因と結果の法則
好きなアニメ:あしたのジョー、エースをねらえ!


はじめまして、私はさいたま市で整体院を開業しています。愛犬はトイプードルのももちゃんと心(しん)ちゃんと暮らしています。愛犬の病気をきっかけに、このコンテンツを立ち上げました。皆さんのお役に立てればと思い、わんちゃんの健康を中心に、犬の色々な情報を掲載しています。

  • ももちゃん(女の子 2012年5月生まれトイプードル)
  • 心ちゃん(男の 子2013年11月生まれトイプードル)

心ちゃんが遺伝的な病気を持ち闘病中です。

  • アジソン病2019年11月6歳
  • 進行性網膜萎縮症、白内障2023年7月
  • 甲状腺機能低下症2024年4月

上記は正式な診断を受け治療を開始した時で、発症はもう少し前からだと思います。

特に進行性網膜萎縮症は、初期症状に早く気づき早期予防をしていたら、進行をもう少し遅れさせられたかなと後悔しています。

わが家のわんちゃん、トイプードルは6歳の時(2019年)にアジソン病と診断され、投薬を続けています。

9歳(2022年)すぎてから、暗闇で目が見えにくくなり、進行性網膜萎縮と診断されました。治療がないということで放置をしていましたが、2023年に入り急激に白内障など進行して、目の専門の病院へ行き、正式に進行性網膜萎縮と白内障と診断されました。

現在は定期的な検査と、目サプリ・目薬で進行を遅らせています。現在は、2023年11月に体調を崩しててから、急激に左目がひどい白内障でしたが、右目も白内障がひどくなりました。今はたぶん見えない様子です。

2024/4/25に甲状腺機能低下症と言われ、今、投薬を開始しました。経過観察中!

下記は、愛犬の闘病記です。同じ病気を持つ飼い主さんの、役に立てればと