HOME >わんちゃんのこと >犬の病気 >犬のアジソン病の情報サイト >犬のアジソン病の治療|薬の量の決め方と投与の効果効能と副作用
筆者:冨澤敏夫(整体師、柔道整復師) N2024/4/13

犬のアジソン病の治療|薬の量の決め方と投与の効果効能と副作用

 

 

アジソン病の治療法

犬のアジソン病、または副腎皮質機能低下症は、副腎皮質から分泌されるホルモンが不足することによって引き起こされる病気です。

この病気は犬の健康に重大な影響を及ぼす可能性があり、適切な治療が必要です。

犬のアジソン病の治療法には、主にホルモン補充療法が用いられます。これは、不足しているホルモンを補うために、ステロイド剤を投与する方法です。具体的には以下のホルモンです。

  • 鉱質|ミネラルコルチコイドの投与
  • 糖質|グルココルチコイドの投与
  • 両方のホルモンの投与

 

アジソン病には定型と非定型では治療法が少し変わる!

アジソン病の中で非定型アジソン病と定型アジソン病(=典型的なアジソン病)の割合は、一般的には定型アジソン病の方が非定型アジソン病よりも一般的です。
定型アジソン病は副腎皮質全体の機能が低下しており、糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの両方が不足している状態です。一方、非定型アジソン病では主に鉱質コルチコイドの不足が特徴的であり、糖質コルチコイドは比較的正常に機能しています。

定型アジソン病

定型のアジソン病で鉱質・糖質コルチコイドの両方が不足する検査結果が出た場合に使用される薬は、「酢酸フルドロコルチゾン(フルジニコートン)」という薬です。また、「フロリネフ」もアジソン病の治療に用いられ、糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの両方の作用を持つとされています。これらの薬は、副腎皮質ホルモンの不足を補うために使用されます。

定型アジソン病の治療法

副腎皮質ホルモン補充療法

  • 糖質コルチコイド(グルココルチコイド)の投与: 例えば、プレドニゾロンなどが使用されます。これにより、糖質代謝が正常化され、炎症が抑制されます。
  • 鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)の投与: 例えば、フルジニコートン(フルドロコルチゾン)やフルジニソン酢酸エステル(フロリネフ)が使用されます。これにより、ナトリウムとカリウムのバランスが調整されます。

定期的なフォローアップと血液検査

  • 治療中は定期的なフォローアップが重要です。血液検査や臨床検査を通じて副腎機能や治療効果をモニタリングし、投薬量や治療計画を調整します。

ストレス管理

  • アジソン病の犬はストレスに敏感です。適切なストレス管理が重要であり、獣医師の指導のもとで適切な環境や生活スタイルを提供することが必要です。

食事管理

  • 副腎皮質ホルモンの不足により代謝が変化するため、適切な栄養管理が必要です。獣医師と相談して適切な食事プランを立てます。

非定型アジソン病

犬の非定型アジソン病は、通常は鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)のみが不足することが特徴です。この病態では、副腎皮質の外層(糖質コルチコイドを産生する部分)は比較的正常に機能しているため、糖質コルチコイドの不足症状がほとんど見られません。

非定型アジソン病の治療法

非定型アジソン病の治療法は、鉱質コルチコイドの不足を補うことが主な目的です。治療法の一般的なアプローチは以下の通りです

鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)の補充

フルジニコートン(フルドロコルチゾン)やフルジニソン酢酸エステル(フロリネフ)などの鉱質コルチコイドを投与します。これにより、ナトリウムの再吸収が促進され、カリウムの排泄が増加し、水および電解質のバランスが調整されます。

定期的なフォローアップと血液検査

治療中は定期的なフォローアップが重要です。血液検査や臨床検査を通じて鉱質コルチコイドの効果や血液中の電解質バランスをモニタリングし、投薬量や治療計画を調整します。

ストレス管理

アジソン病の犬はストレスに敏感です。適切なストレス管理が重要であり、獣医師の指導のもとで適切な環境や生活スタイルを提供することが必要です。

食事管理

副腎皮質ホルモンの不足により代謝が変化するため、適切な栄養管理が必要です。獣医師と相談して適切な食事プランを立てます。

「非定型アジソン病」で、電解質のバランスが崩れるのみで、鉱質コルチコイドの補充が必要となります。この場合、糖質コルチコイド(プレドニゾロン)の投与は必要ないとされています。(稀にその逆もあります)

ただし、非定型アジソン病の診断を受けた症例の約10%は、その後プレドニゾロン(糖質コルチコイド)を必要になる可能性があります。そのため、定期的な検査と獣医師との密接なコミュニケーションが必要です。

犬がアジソン病を発症した場合、最初に行われるのは血液検査やACTH刺激試験などの診断検査です。これにより、犬の体内でのホルモンのレベルを測定し、アジソン病の診断を確定します。診断後、獣医師は犬の状態に応じて適切な治療計画を立てます。重度の副腎クリーゼの場合は、入院しての点滴治療が必要になることもあります。維持療法としては、犬が安定した状態になるまで、定期的にホルモン補充薬を投与し続けることが一般的です。

犬のアジソン病の治療は、犬の一生涯にわたって続くことが多いです。そのため、飼い主は獣医師の指示に従って、犬に定期的に薬を投与し、状態をモニタリングする必要があります。また、犬にストレスを与えないような環境を整えることも、アジソン病の管理には重要です。犬がストレスを感じると、病状が悪化する可能性があるためです。

アジソン病の治療に関する詳細な情報は、専門の獣医師による監修のもと提供されているウェブサイトで確認することができます。これらの情報源は、犬のアジソン病の症状、原因、治療法についての信頼できる情報を提供しており、飼い主が犬の健康を管理する上で役立つでしょう。

最後に、犬のアジソン病は早期発見が重要です。愛犬にアジソン病の症状が見られた場合は、早めに獣医師に相談し、適切な治療を受けることが推奨されます。定期的な健康診断を受けることで、アジソン病を含む様々な病気の早期発見につながります。愛犬の健康と幸せのために、適切なケアを心がけましょう。

 

薬の予備知識

アジソン病で投与が必要になる薬剤は、糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの作用をもつものです。下記の薬剤が一般的に使用されていて、フロリネフ(鉱質コルチコイドで若干糖質コルチコイドの作用も兼ねる)だけの場合もありますが、通常は鉱質と糖質のコルチコイドの補充が必要です。

通常であれば、フロリネフ錠剤とプレドニゾロン錠剤、またパーコーテンV注射(ザイコータル注射)とプレドニゾロン錠剤の組み合わせです。

この組み合わせは、血液検査や症状の観察などで獣医師が決める為、相談してください。

以下からは、薬剤のことを説明していきます。

 

       

フロリネフ(フルジニソン酢酸エステル=酢酸フルドロコルチゾン)

フロリネフ(フルジニソン酢酸エステル=酢酸フルドロコルチゾン)

フロリネフは、糖質・鉱質コルチコイドの両方の作用を持ちますが、糖質コルチコイド作用は鉱質コルチコイドに比べて弱いです。

※フルジニソン酢酸エステルと酢酸フルドロコルチゾンは、同じ薬剤を指す異なる名称です。

副作用は、血清中の電解質の調整が行われ、高血圧や四肢の浮腫などが考えられます。感染症の治療との併用も必要な場合があり、免疫機能の低下など配慮して、ワクチン接種の際は獣医師の指示に従いましょう。

生体由来の鉱質ホルモンと同様に腎臓の細尿管におけるナトリウムの再吸収を促進するほか、余剰なカリウムを尿内に排出する作用によって循環血液量を回復し、重篤なショック状態が引き起こされることを妨げる効果を発揮します。

若干ですが、酢酸フルドロコルチゾンには糖質コルチコイド作用もあるため糖質コルチコイド不足による症状を和らげる効果も期待できます。その場合は、プレドニゾロンの投与は様子を見ますが、血液検査や副腎皮質刺激ホルモ(ACTH)テストでコルチゾールの血中濃度を評価して、分泌が低い場合はプレドニゾロン(糖質コルチコイド)の補充も検討されます。

フロリネフは主に次のような場合に使用されることがあります。

  • アジソン病の治療: フロリネフはアジソン病(副腎皮質機能不全)の治療に用いられます。アジソン病では副腎が十分な副腎皮質ホルモンを産生できないため、フロリネフが補充療法として使用され、副腎機能をサポートします。
  • 鉱質コルチコイドの作用: フロリネフは主に鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)の作用を示します。これはナトリウムの再吸収を促進し、カリウムの排泄を増加させることで水および電解質のバランスを調節します。これにより、アジソン病による電解質の異常や水の代謝異常を補正します。
  • 糖質コルチコイドの作用: フロリネフは糖質コルチコイド(グルココルチコイド)の作用も若干は持ちますが、鉱質コルチコイドに比べて弱いです。そのため、非定型アジソン病の場合にフロリネフを投与して、主に鉱質コルチコイドの補充をメインとし、コントロールしていきます。
  • ※ほとんどは、定型アジソン病が多いので、糖質・鉱質コルチコイドは別の薬剤で投与していきます。

具体的な量の決め方

通常の投与量は0.02 mg/kgから0.05 mg/kgの範囲で、1日に2回投与されます。

例えば、5.0kgのトイプードルの場合、1回の投与量は最低0.02 mg/kg × 5.0 kg = 0.10 mgから最高0.05 mg/kg × 5.0 kg = 0.25 mgの間になります。

※参考にした1錠のフロリネフは1錠に0.1 mgです。

体重5.0kgのトイプードルにおいて、1日に服用するフロリネフの錠剤数は以下のようになります。

  • 最低投与量: 1 錠
  • 最高投与量: 3 錠

あくまでも目安で、これらの薬剤の投与量や錠剤の数は獣医師の指示に基づいて決定されます。

コスト

一日1錠の場合は、100日間(3か月)で6,320円です。1ヵ月2,100円の計算になります。

料金参考サイト:「ペットくすり

 

パーコーテンV

 パーコーテンV

犬のアジソン病における鉱質コルチコイドとしては、パーコーテンV(Desoxycorticosterone pivalate)とフロリネフ(Fludrocortisone acetate)が使用されます。これらの薬剤は、アジソン病における鉱質コルチコイドの補充療法に用いられますが、それぞれ異なる特徴や効能があります。

薬剤の特徴

  • パーコーテンV(Desoxycorticosterone pivalate):パーコーテンVは、鉱質コルチコイドの一種であり、アジソン病の治療に使用されます。鉱質コルチコイドとしての効果を持ち、アルドステロンの代用として作用します。通常は筋肉注射として投与されます。
 

効果と効能

  • 鉱質コルチコイドの補充: パーコーテンVは鉱質コルチコイドの一種であり、アルドステロンの機能を補完します。ナトリウムとカリウムのバランスを調整し、水および電解質の代謝を正常化します。
  • 効果の持続性: パーコーテンVは一般的に効果が長く持続するため、1か月に1回の投与で効果が維持されることが期待されます。

具体的な量の決め方

通常の投与量は0.75 mg(0.34μg/lb)/kgから1.5 mg/kgの範囲で、1か月に1回投与されます。

例えば、5.0kgのトイプードルの場合、投与量は0.75 mg(0.34μg/lb)/kg × 5.0 kg = 3.75 mg(3750μg/lb)から1.5 mg(1500μg/lb)/kg × 5.0 kg = 7.5 mg(7500μg/lb)の間になります。

料金

パーコーテンV注射液(1瓶4ml)は30,200円です。動物病院で処方される場合は、筋肉注射代800円~1,000円程度と薬剤投与分が料金となります。

愛犬5.0kgは、動物病院で筋肉注射800円前後にザイコータル薬液は6,900円です。計8,000円弱です。

薬剤だけ考えると、仮に3.75mgの投薬なら、薬剤は1,125円ですが、筋肉注射や安全性から考えて、動物病院での処置が賢明でしょう。

料金参考「ペットのくすりやさん

 

ザイコータル(デソキシコルチコステロンピバル酸エステル)

 ザイコータル(デソキシコルチコステロンピバル酸エステル)

ザイコータル(Desoxycorticosterone pivalate、略称: DOCP)は、犬のアジソン病(副腎皮質機能低下症)の治療に使用される薬剤です。DOCPは鉱質コルチコイドの一種であり、通常は筋肉内に注射されます。

薬剤の特徴

  • ザイコータル(DOCP):ザイコータルは、Desoxycorticosterone pivalate(DOCP)の別名です。これはパーコーテンVと同じ化合物を指し、アジソン病の治療に用いられます。DOCPは鉱質コルチコイドの一種であり、ナトリウムとカリウムのバランスを調整する効果があります。

投与方法と頻度は

ザイコータルは一般的に筋肉内注射されます。通常は臀部(お尻の筋肉)に注射されることが多いですが、獣医師の指示に従って他の適切な場所にも注射される場合があります。

ザイコータルの注射は通常1か月に1回の頻度で行われます。DOCPは効果が長く持続するため、1か月ごとの投与でアジソン病の症状を管理することが目的です。

効果と効能

ザイコータルは鉱質コルチコイドの一種であり、アルドステロンの代用として機能します。ナトリウムとカリウムのバランスを調整し、水および電解質の代謝を正常化することで、アジソン病による症状を改善します。

具体的な量の決め方

ザイコータルの投与量は通常、体重1kgあたり0.75 mgから1.0 mgの範囲で計算されます。この量は通常1か月に1回の投与量です。

具体的に体重5.0kgの犬に対して、ザイコータルの投与量は1か月に1回、3.75 mgから5.0 mgの範囲で推奨されることが一般的です。

あくまでも目安で、これらの薬剤の投与量や錠剤の数は獣医師の指示に基づいて決定されます。

料金

ザイコータル注射液(1瓶100mg/4ml)19,500円です。動物病院で処方される場合は、筋肉注射代800円~1,000円程度+薬剤投与分が料金となります。

愛犬5.0kgは、動物病院で筋肉注射800円前後にザイコータル薬液は6,900円です。計8,000円弱です。

薬剤だけ考えると、仮に3.75mgの投薬なら、薬剤は750円ですが、筋肉注射や安全性から考えて、動物病院での処置が賢明でしょう。

料金参考「ペットのくすりやさん

 

筋肉注射(パーコーテンVやザイコータル)で、21〜30日に一度、長持ちするメカニズムが知りたい!

パーコーテンVやザイコータルは、アジソン病(原発性副腎皮質機能低下症)の犬の治療に使用される注射薬です。この薬剤は、鉱質コルチコイドの一種であるデオキシコルトン・ピバレートを含んでおり、筋肉注射によって投与されます。この薬剤は、投与後に筋肉内に貯蔵された有効成分が徐々に放出され、発症に伴い低下している腎臓の細尿管におけるナトリウムの再吸収やカリウム排泄を促進することによって、低血圧や循環血液量の減少、電解質不均衡を改善し、症状の良好な状態を維持する効果を発揮します。また、多くの犬は体重1kg当たり0.75〜1.0mgを21〜30日に一回筋肉注射することで、維持が可能です。
デオキシコルトン・ピバレートとは何ですか?
デオキシコルトン・ピバレートは、鉱質コルチコイドの一種であり、パーコーテンVに含まれる有効成分の一つです。この薬剤は、アジソン病の治療に使用されます。アジソン病は、副腎皮質ホルモンの不足によって引き起こされる病気であり、デオキシコルトン・ピバレートは、副腎皮質から分泌される鉱質コルチコイドのアナログであるため、病気の症状を改善する効果があります。 また、多くの犬は体重1kg当たり0.75〜1.0mgを21〜30日に一回筋肉注射することで、維持が可能です。

錠剤と注射の投与の比較と選択基準

  • 効果の持続性: フロリネフ(錠剤)は通常は1日2回の投与が必要ですが、注射液(パーコーテンV、ザイコータル)は1か月に1回の投与で効果が維持されるため、投薬の頻度が異なります。
  • 治療管理: フロリネフは毎日1日2回の投与が一般的で/月す。一方、パーコーテンVは投与頻度が低いため、投与忘れの管理の手間が少なくなります。
  • コスト:注射の場合は自分では難しいため病院で行います。5.0kgの愛犬では、月1回8,000円弱の費用がかかります。

選択の基準は犬の個々の状態や管理の容易さ、治療コスト、定期的な検査などを考慮に入れる必要があります。獣医師の指導のもとで適切な薬剤が選択され、定期的なフォローアップと血液検査が行われることが重要です。

 

 

プレドニゾロン

 プレドニゾロン

犬のアジソン病においてプレドニゾロンが使用される場合やその効果・副作用について説明します。

  

通常のプレドニゾロンの錠剤は、1mg、2.5mg、5 mgの錠剤があります。

 

プレドニゾロンの効果・効能

  • 副腎皮質ホルモンの不足症状の補充: アジソン病では副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌が不足しています。プレドニゾロンは糖質コルチコイド(グルココルチコイド)の一種であり、副腎機能を補完するために使用されます。
  • 抗炎症効果の利用: プレドニゾロンは強力な抗炎症作用を持ちます。炎症性疾患やアレルギー反応に伴う炎症の制御にも使用されることがあります。
 

プレドニゾロンの副作用

  • 多飲・多尿: プレドニゾロンの使用により多尿(尿量の増加)や多飲(水分摂取量の増加)が生じる場合があります。
  • 免疫抑制: 長期間のプレドニゾロン使用は免疫抑制効果をもたらすため、感染症に対するリスクが増加する可能性があります。
  • 消化器系の問題: 腸の運動性が低下し、消化器系の問題(例: 下痢、嘔吐)が生じることがあります。
  • 副腎機能抑制: 長期間のプレドニゾロン使用により、副腎皮質の自然な機能が抑制される可能性があります。急に投与を中止すると副腎危機を引き起こす危険性があります。

プレドニゾロンの使用は獣医師の指導のもとで行われるべきです。適切な投与量や治療計画を立て、定期的なフォローアップと血液検査が重要です。獣医師の指示に従い、副作用を管理しながら効果的な治療を行うことが大切です。

プレドニゾロンの量の決め方

犬のアジソン病におけるプレドニゾロン(または他のステロイド)の投与量は、獣医師が犬の個々の症状や血液検査結果を評価して決定します。投与量は犬の体重や病態に応じて調整されることが一般的です。以下はプレドニゾロンの投与量を決める際に考慮される要素です。

  • 症状の重症度: アジソン病の症状の重症度や発作の頻度など、犬の病態を評価します。重症な場合や副腎危機の発症リスクが高い場合は、より高い投与量が必要とされることがあります。
  • 血液検査結果: 血液検査により副腎ホルモンのレベルや電解質のバランスが評価されます。これに基づいてステロイドの投与量が調整され、副腎機能の補充が行われます。
  • 体重: 犬の体重に応じて投与量が計算されます。通常は体重1kgあたり0.1〜0.2mgのプレドニゾロンが推奨されることがありますが、病態や症状の重症度によって異なります。
  • 個々の反応: 犬の個体差や治療への反応を考慮します。症状の管理や副作用の最小化を目指して、最適な投与量が調整されます。

犬のアジソン病におけるプレドニゾロン(または他のステロイド)の投与量を決定する際に、獣医師が血液検査結果を参考にする主な項目は以下のようになります

  • 副腎皮質ホルモンの検査: アジソン病の診断や治療フォローアップには、副腎皮質ホルモンの検査が重要です。具体的には、血液中の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)刺激テストや副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の血中濃度を評価します。これにより、副腎機能の状態や治療の効果が判断されます。
  • 電解質の検査: アジソン病によりナトリウムとカリウムのバランスが乱れやすくなります。血液中のナトリウムとカリウムの濃度が評価され、適切な電解質補充療法やステロイドの投与量調整が行われます。
  • 一般的な血液検査: 獣医師は一般的な血液検査結果も評価します。これには赤血球数(RBC)、白血球数(WBC)、血小板数(PLT)、血清アルブミンなどが含まれます。これらの値は犬の全体的な健康状態を把握するために重要です。
  • その他の副腎関連の検査: 必要に応じて、副腎関連のその他の検査項目も評価されることがあります。これには尿中の副腎皮質ホルモン代謝産物や副腎皮質の超音波検査などが含まれます。

これらの検査結果を総合的に評価し、獣医師は犬のアジソン病の状態を判断し、最適な治療法やプレドニゾロンの投与量を決定します。血液検査結果は治療開始時や定期的なフォローアップ時に再評価され、治療計画が調整されることがあります。

具体的な量の決め方

通常の投与量は0.1 mg/kgから0.2 mg/kgの範囲で、1日に1回または2回投与されます。

例えば、5.0kgのワンちゃんの場合は、1回の投与量は0.1 mg/kg × 5.0 kg = 0.2 mgから0.2 mg/kg × 5.0 kg = 1.0 mgの間になります。

愛犬5.0kgは、日頃の容態と血液検査のモニタリングから、必要量を決めて1mgの錠剤の半分0.5mgで少ない投薬でコントロールしています。

処方は、1,500円/月の計算になります。

あくまでも目安で、これらの薬剤の投与量や錠剤の数は獣医師の指示に基づいて決定されます。

犬のアジソン病の症状が重い場合は、プレドニゾロン錠剤を1日2回に分けて投与する理由は、以下の2つが挙げられます。

  • 1.血中濃度を一定に保つため
  • 2.副作用を軽減するため

アジソン病の犬は、副腎皮質から分泌される糖質コルチコイド不足によって、ストレスに対する耐性や血糖値の調節が乱れています。

プレドニゾロン錠剤は、糖質コルチコイド不足を補う薬ですが、1日1回投与した場合では血中濃度が変動しやすくなります。

そのため1日2回に分けて投与することで、血中濃度を一定に保ち症状を安定させることができます。

また、プレドニゾロン錠剤は、副作用のリスク増加、糖尿病のリスク増加などが考えられます。1日2回に分けて投与することで、リスクを軽減することができます。

その他の疑問

Q:犬のアジソン病でプレドニゾロン錠剤を飲み忘れた場合はどうなりますか?

プレドニゾロン錠剤を飲み忘れた場合は、気がついたときにすぐに飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回とばしてください。2回分を一度に飲んではいけません。 また、くすりのしおりによると、飲み忘れた場合は、気がついた日の翌朝に1回分を飲むことが推奨されています。ただし、獣医師の指示に従って適切な投与方法を確認することが重要です。

Q:犬のアジソン病でプレドニゾロン錠剤は、夜飲むのか朝飲むのか、いつ飲むのが良いのか教えてください

犬のアジソン病において、プレドニゾロン錠剤の投与時間については、特に指定されていない場合は、朝食前に投与することが一般的です。 ただし、獣医師の指示に従って適切な投与方法を確認することが重要です。

Q:犬のアジソン病でプレドニゾロン錠剤は、1日の投与の量を1回で投与するのか、2回に分けて投与するのか、どちらが良いのですか

犬のアジソン病において、プレドニゾロン錠剤の投与の方法は、一般的には、体重1kg当たり0.22mgのプレドニゾロンを1日1回投与することが推奨されています。

 

豆知識1

「アジソン病の治療には、アルドステロンの補充が行われます。アルドステロンの補充により、ナトリウムの血中濃度を正常に戻し、症状を改善することができます。」
上記のように記載されていると悩むのですが、一般の方は【アルドステロン=鉱質コルチコイドの代表的なホルモンの一種】と認識しても良いと思います。

豆知識2

「鉱質コルチコイド、ミネラルコルチコイド、アルドステロンの違いは何?」

場合によっては、鉱質コルチコイドとミネラルコルチコイドを区別することがありますが、鉱質コルチコイドとミネラルコルチコイドは、一般的には同じものであると考えられます。
鉱質コルチコイドは、アルドステロンを含む総称であり、アルドステロンは、鉱質コルチコイドの一種であると言えます。
具体的には、鉱質コルチコイドには、アルドステロンのほかに、デオキシコルチコステロンやコルチコステロンなどがあります。これらのホルモンも、ナトリウムやカリウムの排泄を調節する働きがありますが、アルドステロンほど強力ではありません。
アルドステロンは、鉱質コルチコイドの中で最も強力な作用を持つホルモンで、ナトリウムと水分の再吸収を促進し、血圧を維持する働きがあります。また、カリウムの排泄を促進することで、電解質バランスを保つ役割も果たしています。
鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)とアルドステロンは、副腎皮質で産生されるステロイドホルモンの一種です。しかし、両者の主な違いは、作用する標的組織と作用の違いにあります。

 

アジソン病を持つ犬の飼い主さんの 情報共有や経験の交換の場

私のようにアジソン病の愛犬と暮らす方々が、不安や心配などを共有して励まし合って、愛犬や飼い主がストレスなく暮らせるようにしていきたいと思います。

私で良かったら、少しでもお力になれれば幸いです。気軽にご連絡下さいませ。

冨澤敏夫が[アジソン病の情報交換]グループを作りました。良かったら参加してください。

参加の場合はこちらアジソン病の情報交換

https://line.me/ti/g/k9sDHXl61k

LINEをインストールし、登録した後に上記リンクをタップして[アジソン病の情報交換]グループに参加することができます。

アジソン病の愛犬と暮らす飼い主さんの情報交換の場のLINE|原因と症状、治療と予防|さいたま中央フットケア整体院

 

 

関連記事

 

 

自己紹介(profile)

NEWS

冨澤敏夫(とみざわ としお)、1969年12月12日生まれ
資格(国家資格:柔道整復師、整体師)

好きな言葉:継続は力なり
特技や趣味:空手、太極拳、健康体操、映画鑑賞、仕事(整体業)、WEB関係
愛読書:原因と結果の法則
好きなアニメ:あしたのジョー、エースをねらえ!


はじめまして、私はさいたま市で整体院を開業しています。愛犬はトイプードルのももちゃんと心(しん)ちゃんと暮らしています。愛犬の病気をきっかけに、このコンテンツを立ち上げました。皆さんのお役に立てればと思い、わんちゃんの健康を中心に、犬の色々な情報を掲載しています。

  • ももちゃん(女の子 2012年5月生まれトイプードル)
  • 心ちゃん(男の 子2013年11月生まれトイプードル)

心ちゃんが遺伝的な病気を持ち闘病中です。

  • アジソン病2019年11月6歳
  • 進行性網膜萎縮症、白内障2023年7月
  • 甲状腺機能低下症2024年4月

上記は正式な診断を受け治療を開始した時で、発症はもう少し前からだと思います。

特に進行性網膜萎縮症は、初期症状に早く気づき早期予防をしていたら、進行をもう少し遅れさせられたかなと後悔しています。

わが家のわんちゃん、トイプードルは6歳の時(2019年)にアジソン病と診断され、投薬を続けています。

9歳(2022年)すぎてから、暗闇で目が見えにくくなり、進行性網膜萎縮と診断されました。治療がないということで放置をしていましたが、2023年に入り急激に白内障など進行して、目の専門の病院へ行き、正式に進行性網膜萎縮と白内障と診断されました。

現在は定期的な検査と、目サプリ・目薬で進行を遅らせています。現在は、2023年11月に体調を崩しててから、急激に左目がひどい白内障でしたが、右目も白内障がひどくなりました。今はたぶん見えない様子です。

2024/4/25に甲状腺機能低下症と言われ、今、投薬を開始しました。経過観察中!

下記は、愛犬の闘病記です。同じ病気を持つ飼い主さんの、役に立てればと