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アジソン病、または副腎皮質機能低下症は、犬においても発症する比較的まれな病態であり、副腎皮質からのホルモン分泌不足によって引き起こされます。この病気は、犬の健康に重大な影響を及ぼす可能性があるため、ペットの飼い主にとって理解しておくべき重要なトピックです。
犬のアジソン病の原因は多岐にわたりますが、主に副腎自体の機能異常、下垂体(ACTHの分泌器官)、視床下部(CRHの分泌器官)の機能異常が考えられます。特発性アジソン病は、副腎皮質が自己免疫により破壊されることで発症するとされていますが、その詳細なメカニズムはまだ完全には解明されていません。また、医原性アジソン病は、グルココルチコイド製剤の長期投与や、クッシング症候群の治療などによって引き起こされることがあります。
犬のアジソン病は、食欲不振、虚弱、嘔吐、下痢、体重減少、多尿、徐脈、震えなどの非特異的な症状を示すことが多く、これらは他の多くの病気と共通しているため、診断が困難な場合があります。症状が進行すると、副腎クリーゼと呼ばれる重度の副腎不全状態に陥ることがあり、これは緊急治療を要する危険な状態です。
治療に関しては、副腎クリーゼの場合は入院治療が必要であり、輸液とステロイド剤による治療が行われます。慢性型のアジソン病では、不足している副腎皮質ホルモンを補うための薬物療法が生涯にわたって必要になります。また、ストレスは副腎クリーゼの危険性を高めるため、ストレスの少ない環境を整えることも重要です。
予防に関しては、特発性アジソン病の予防法は現在のところ存在しませんが、医原性アジソン病については、薬の適正投与に注意することで予防が可能です。犬にグルココルチコイド製剤を投与する場合は、獣医師の指示に従い、適切な量と期間での使用が求められます。
犬のアジソン病は、早期発見と適切な治療により、症状を管理し、犬の生活の質を維持することが可能です。愛犬にアジソン病が疑われる症状が見られた場合は、早めに動物病院での診察を受けることが推奨されます。飼い主としては、愛犬の健康状態に注意を払い、異変を感じたら迅速に専門家の意見を求めることが大切です。犬のアジソン病に関するさらなる情報は、専門の動物病院や信頼できる情報源から得ることができます。
目次
特発性アジソン病や医原性アジソン病、非原性アジソン病、原性アジソン病という用語は、アジソン病の原因に基づいて定義される異なるタイプを表します。これらの用語の意味は以下の通りです
これらの用語はアジソン病の原因を区別するために使われ、病態や治療アプローチに影響を与える重要な情報となります。診断と治療において、これらの異なるタイプを正確に区別することが重要です。治療は原因に基づいて適切に行われるため、獣医師はこれらの要因を慎重に評価し、診断を行います。
具体的には、獣医師はアジソン病の症状や臨床所見を確認し、血液検査や尿検査、副腎機能の検査(ACTH刺激検査など)を実施して、副腎機能不全の原因を特定します。このプロセスは患者の状態を評価し、最適な治療法を選択するために重要です。
診断の過程では、特発性アジソン病、医原性アジソン病、非原性アジソン病などの異なる原因に基づく診断が行われます。これによって獣医師は適切な治療法を提案し、犬の健康を回復させるための効果的なアプローチを確立します。
90%以上の犬のアジソン病がこのタイプで、特発性アジソン病は、原因不明で起こる副腎皮質の機能低下症を指します。特発性とは「原因不明の」という意味であり、何らかの特定の病因が特定できない場合に使用されます。特発性アジソン病では、自己免疫機構が副腎皮質に対して攻撃を行い、副腎皮質の機能が低下することが考えられます。
※原性アジソン病(Primary Addison's Disease)と特発性アジソン病(Idiopathic Addison's Disease)は異なる用語であり、一般的には同じ病態を指すことがありますが、厳密には意味が異なる場合があります。薬剤の副作用によって起こるアジソン病で、主にグルココルチコイド製剤の長期投与や高用量投与、突然の投薬中止などが原因となります。
グルココルチコイド製剤とは、長期投与のリスクとは
グルココルチコイドは、炎症を抑える薬の一種で、関節炎、喘息、アレルギーなどを抑えるのに使われます。また、自己免疫疾患の治療にも使用されています。
グルココルチコイドは、体内で自然に作られるホルモン(コルチゾール)を合成した製薬です。コルチゾールは、体のさまざまな機能を正常に保つための重要なホルモンです。例えば以下の機能にかかわります。
グルココルチコイドは、短期の使用なら安全ですが、長期的な投与は、さまざまなリスクを伴います。
副腎皮質に異常があるのではなく、副腎皮質ホルモンの産生が視床下部-下垂体-副腎系(HPA軸)の異常によって引き起こされる状態を指します。これは、下垂体や視床下部などが原因で生じる内分泌系の異常によって副腎皮質の機能が低下する病態を表します。典型的な原因としては、下垂体腫瘍や脳腫瘍などが挙げられます。
脳腫瘍や脳の疾患が副腎皮質低下症(アジソン病)を引き起こすことは稀ですが、特定の状況下で副腎機能に影響を与える可能性があります。以下に、脳の疾患が副腎皮質低下症に関与する可能性がある場合をいくつか示します。
これらのメカニズムは、一般的なアジソン病の原因とは異なりますが、脳の疾患が副腎皮質の機能低下に影響を与える可能性があることを示唆しています。ただし、脳腫瘍や脳の疾患によってアジソン病が引き起こされるケースは稀であり、通常は他の原因による副腎皮質低下症の方が一般的です。診断と治療においては、獣医師が患者の症状や病歴を評価し、適切な検査や解析を行って原因を特定する必要があります。
原性アジソン病は、副腎皮質の機能が低下する主要な原因が副腎自体の病変や破壊によるものである病態を指します。通常は副腎皮質に直接影響を与える病気や病変が存在し、これによって副腎皮質が十分なホルモンを産生できなくなる状態です。原因としては、自己免疫疾患(自己免疫性副腎炎)や感染症(結核など)、腫瘍、出血、または他の副腎皮質の破壊が挙げられます。
※一般的に、原性アジソン病は特発性アジソン病の一部であり、特発性アジソン病が原因不明の副腎皮質の機能低下を指す場合があります。しかし、原性アジソン病という用語は、副腎皮質に特定の原因(疾患や病変)がある場合にも使用されることがあります。具体的な文脈や使用法によって、これらの用語の解釈が異なる場合があります。
非定型アジソン病と定型アジソン病の区別は、一般的に「アジソン病のサブタイプ」と呼ばれます。アジソン病は、副腎皮質ホルモンの産生不全によって引き起こされる疾患であり、その病因や症状の重症度によっていくつかの異なるタイプやサブタイプが存在します。
非定型アジソン病(atypical Addison's disease)と定型アジソン病(typical Addison's disease)は、病因や原因、症状、治療応答などの面で異なる特徴を持ちます。非定型アジソン病は通常の症状や検査結果が見られず、診断が難しい場合があります。一方、定型アジソン病は典型的な症状や特徴が見られることが一般的です。
これらのサブタイプの区別は、獣医師が診断と治療計画を立てる際に重要な役割を果たします。正確な診断と適切な区別によって、最適な治療法や管理アプローチを選択することが可能となります。
くわしくは、「犬のアジソン病には、定型(典型)と非定型の2種類がある?」を参考にしてください。
定型と非定型の割合は?
アジソン病の中で非定型アジソン病と定型アジソン病の割合は、一般的には定型アジソン病の方が非定型アジソン病よりも一般的です。定型アジソン病は副腎皮質全体の機能が低下しており、糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの両方が不足している状態です。一方、非定型アジソン病では主に鉱質コルチコイドの不足が特徴的であり、糖質コルチコイドは比較的正常に機能しています。
具体的な割合は獣医学的なデータに基づく統計によって異なりますが、一般的には定型アジソン病の方がより頻繁に診断される傾向にあります。定型アジソン病の症状が比較的明確であるため、診断が比較的容易であり、非定型アジソン病よりもより一般的に見られるとされています。
犬のアジソン病の中で非定型アジソン病(部分的副腎不全)の割合は、一般的に全体の約25%前後と推定されています。このタイプのアジソン病は、副腎皮質の機能が部分的に低下している状態で、症状が軽度であることが特徴です。
ただし、診断は獣医師による症状評価や検査結果に基づいて行われるため、正確な割合は地域や個々の診療所によって異なる場合があります。アジソン病の診断や治療には専門的な知識と経験が必要であり、獣医師との適切な相談が重要です。
典型的なアジソン病で、定型アジソン病(Typical Addison's disease)は、副腎皮質の機能低下症の一形態であり、副腎皮質の主要な機能が影響を受けてホルモン(鉱質、糖質コルチコイド)の分泌が低下する疾患です。
以下は定型アジソン病の特徴です特徴と治療法について説明します。
特徴
治療法
犬の定型アジソン病の治療法は主に以下のようになります。
非定型アジソン病(atypical Addison's disease)は、典型的なアジソン病とは異なる特徴を示す副腎皮質機能不全の一形態です。非定型アジソン病は、通常は鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)のみが不足することが特徴です。この病態では、副腎皮質の外層(糖質コルチコイドを産生する部分)は比較的正常に機能しているため、糖質コルチコイドの不足症状がほとんど見られません。
特徴
治療法
非定型アジソン病の治療法は、鉱質コルチコイドの不足を補うことが主な目的です。治療法の一般的なアプローチは以下の通りです
非定型アジソン病は副腎皮質ホルモンの一部の不足症状が特徴的であり、症状の軽度さや治療法の焦点が異なります。治療は獣医師の指導のもとで行われ、犬の健康状態や治療効果を適切に管理することが重要です。治療中には定期的な検査と獣医師との連携が欠かせません。
非定型アジソン病では通常、プレドニゾロン(糖質コルチコイド)の投与は必要ありません。この病態では副腎皮質の外層(糖質コルチコイドを産生する部分)は比較的正常に機能しているため、糖質コルチコイドの補充は必要ありません。
非定型アジソン病では主に鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)の不足が特徴的です。したがって、治療の中心は鉱質コルチコイドの補充療法にあります。一般的には、フルジニコートン(フルドロコルチゾン)やフルジニソン酢酸エステル(フロリネフ)などの鉱質コルチコイドが使用され、ナトリウムとカリウムのバランスを調整し、水および電解質の代謝を正常化します。
プレドニゾロンは糖質コルチコイドの一種であり、非定型アジソン病には効果がないため、一般的に使用されません。治療は獣医師の指導に基づいて行われ、犬の状態や症状に応じて適切な鉱質コルチコイドの投与量が調整されます。治療中は定期的なフォローアップと血液検査が重要です。
犬のアジソン病の所見には、アジソン病とすぐにわかる特徴がなく、重症化して初めて気付くケースが多いようで注意が必要です。下記の症状が愛犬にある場合は、早めに動物病院に相談するといいでしょう。
犬のアジソン病は、ストレスが悪化の要因になるため、様子を見ていると危険なため、早めに動物病院で検査を受けてください。
犬のアジソン病(原発性副腎不全)の初期症状には以下のようなものがあります。
このような症状がすべて出るのではなく、犬や程度により変わります。
鉱質コルチコイドの不足で 副腎皮質が正常に機能せず、アルドステロンの産生が低下します。
アルドステロンは体内のナトリウムと水分の再吸収を促進し、同時にカリウムの排泄を調節します。
アルドステロンの不足により、ナトリウムの再吸収が妨げられ、その結果、尿中のナトリウムと水分の排泄が増加します。このナトリウムと水分の損失により、犬は喉の渇きを感じて多量の水分を摂取しようとします。
また、体内の水分と電解質(ナトリウムやカリウムなど)のバランスを維持しようとする身体の反応で、同時に水分の摂取が増加しているため、多飲多尿の状態が生じます。
水の飲む量とおしっこの量も日頃から注意しておく!
多飲多尿のよくある質問「アジソン病で水をよく飲み、尿が多い理由や対策法は?」
犬が飲む水の量「1日どのくらいが正常な量、異常な飲む量はどのくらい?」
震えは犬の健康状態を示す重要なサインの一つですので、アジソン病の犬が震える原因は、複数の要因による可能性があります。以下に挙げる可能性がありますが、症状の詳細や状況によって異なるため、獣医師の診断が必要です。
考えられる原因
アジソン病の犬は筋力低下を引き起こす理由は、副腎皮質ホルモンが不足すると、糖や脂肪・タンパク質代謝が悪くなり、血糖値が低下(低血糖)して熱発生をさせるために、筋肉や脂肪が分解されたりします。これにより、筋力低下や体重減少が引き起こされます。
消化器の機能障害なども引き起こす可能性があるので下痢や嘔吐にも注意しましょう。(嘔吐は他の症状の一部と考えて嘔吐の回数で判断しない)
アジソン病の犬の皮膚の黒ずみ(色素沈着)の原因は、副腎皮質ホルモンの分泌の不足によるものです。
副腎皮質ホルモンの分泌は、脳下垂体から出る副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)によってコントロールされています。ACTHは、メラニンという色素と同じ仲間のホルモンで、色素沈着(皮膚の黒ずみ)しやすい部位は、主に皮膚や爪、唇、口腔内などです。
色素沈着(皮膚の黒ずみ)しやすい部位は、日光の当たる部位や摩擦が加わる部位であることが多く、色素沈着を引き起こすホルモンであるACTHの作用を受けやすいからです。また、色素沈着は病気の進行とともに増加する傾向があります。
アジソン病の犬では、副腎皮質ホルモンが不足するため、脳下垂体からACTHが大量に分泌されます。その結果、ACTHの過剰な作用によって、皮膚の黒ずみ(褐色の色素沈着)が起こるのです。
アジソン病の犬の色素沈着(皮膚の黒ずみ)は、病気の特徴的な症状のひとつですが、必ずしもすべての犬に見られるわけではありません。
また、色素沈着(皮膚の黒ずみ)だけではアジソン病と診断できないため、他の症状や血液検査なども必要です。
アジソン病の犬が食欲がなく体重減少や元気がない、ふらつくなどの症状が見られる理由は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の不足による代謝や体内のバランスの乱れが関与しています。以下に詳細を説明します。
こんな症状が愛犬に見られたら、重症の副腎クリーゼ(アジソンクリーゼ)と呼ばれ副腎不全状態に陥っている可能性があります。愛犬の命にかかわるため、放置しないですぐに動物病院を受診しましょう。
最優先は獣医師に連絡ですが、休みなどの場合は、救急の動物病院を探すか、かかりつけの獣医師さんと連絡が取れるようにしましょう。アジソンクリーゼは重篤な状態であり、獣医師にすぐに連絡してください。専門家の指導のもとで適切な治療を受けることが重要です。
愛犬がアジソンクリーゼ(Addisonian crisis)に陥った場合は、以下のような対応が必要です
アジソンクリーゼは緊急性の高い状態であり、症状が現れた場合は迅速に獣医師に連絡し、適切な治療を受けることが重要です。治療が早期に行われれば、多くの犬は回復することが可能ですが、放置すると致命的なリスクが高まるため注意が必要です。
私のようにアジソン病の愛犬と暮らす方々が、不安や心配などを共有して励まし合って、愛犬や飼い主がストレスなく暮らせるようにしていきたいと思います。
私で良かったら、少しでもお力になれれば幸いです。気軽にご連絡下さいませ。
冨澤敏夫が[アジソン病の情報交換]グループを作りました。良かったら参加してください。
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冨澤敏夫(とみざわ としお)、1969年12月12日生まれ
資格(国家資格:柔道整復師、整体師)
好きな言葉:継続は力なり
特技や趣味:空手、太極拳、健康体操、映画鑑賞、仕事(整体業)、WEB関係
愛読書:原因と結果の法則
好きなアニメ:あしたのジョー、エースをねらえ!
はじめまして、私はさいたま市で整体院を開業しています。愛犬はトイプードルのももちゃんと心(しん)ちゃんと暮らしています。愛犬の病気をきっかけに、このコンテンツを立ち上げました。皆さんのお役に立てればと思い、わんちゃんの健康を中心に、犬の色々な情報を掲載しています。
心ちゃんが遺伝的な病気を持ち闘病中です。
上記は正式な診断を受け治療を開始した時で、発症はもう少し前からだと思います。
特に進行性網膜萎縮症は、初期症状に早く気づき早期予防をしていたら、進行をもう少し遅れさせられたかなと後悔しています。
わが家のわんちゃん、トイプードルは6歳の時(2019年)にアジソン病と診断され、投薬を続けています。
9歳(2022年)すぎてから、暗闇で目が見えにくくなり、進行性網膜萎縮と診断されました。治療がないということで放置をしていましたが、2023年に入り急激に白内障など進行して、目の専門の病院へ行き、正式に進行性網膜萎縮と白内障と診断されました。
現在は定期的な検査と、目サプリ・目薬で進行を遅らせています。現在は、2023年11月に体調を崩しててから、急激に左目がひどい白内障でしたが、右目も白内障がひどくなりました。今はたぶん見えない様子です。
2024/4/25に甲状腺機能低下症と言われ、今、投薬を開始しました。経過観察中!
下記は、愛犬の闘病記です。同じ病気を持つ飼い主さんの、役に立てればと