筆者:冨澤敏夫(柔道整復師) N2024/6/15

犬のアジソン病には、定型(典型)と非定型の2種類

犬のアジソン病には、定型(典型)と非定型の2種類があります。これらは発症する症状や治療法にいくつかの違いがあります。

定型アジソン病(典型アジソン病)

特徴

  • 副腎皮質全体の機能不全により、糖質コルチコイド(コルチゾール)と鉱質コルチコイド(アルドステロン)が両方とも不足します。
  • 電解質バランスの異常が特徴的で、血中のナトリウムが低下し、カリウムが上昇します。
  • 低ナトリウム血症、高カリウム血症が見られ、重症になるとアジソンクリーゼ(急性副腎皮質不全)を引き起こすことがあります。

症状

  • 疲れやすい
  • 体重減少
  • 食欲不振
  • 嘔吐や下痢
  • 脱水症状
  • 低血圧

治療

  • 糖質コルチコイド(プレドニゾロン)と鉱質コルチコイド(フロリネフやザイコータル)**の両方を補充する必要があります。
  • プレドニゾロンは毎日の投与が必要で、フロリネフは通常1日2回投与されます。ザイコータルは月に1回の注射が一般的です。

非定型アジソン病

特徴

  • 副腎皮質全体の機能不全により、主に糖質コルチコイド(コルチゾール)が不足しますが、鉱質コルチコイド(アルドステロン)は正常に分泌されることが多いです。
  • 電解質バランスは比較的正常であるため、血中のナトリウムやカリウムは正常範囲内にあります。

症状

  • 定型アジソン病に似た症状ですが、電解質の異常が見られないため、診断が難しいことがあります。
  • 食欲不振、体重減少、疲れやすい、元気がないなどの非特異的な症状が中心です。

治療

  • 糖質コルチコイド(プレドニゾロン)の補充が主な治療法です。
  • 鉱質コルチコイドの補充は通常必要ありませんが、症状や状態に応じて適切な投与が行われる場合もあります。

発症率と治療の違い

  • 発症率: 定型アジソン病の方が一般的です。非定型アジソン病は、定型アジソン病の患者の約25%に見られるとされています。
  • 治療の違い: 定型アジソン病は糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの両方の補充が必要ですが、非定型アジソン病は主に糖質コルチコイドの補充が必要です。

非定型アジソン病では、逆に糖質コルチコイドが正常で、鉱質コルチコイドが不足にはならないでのですか?

非定型アジソン病(atypical Addison's disease)は通常、糖質コルチコイド(主にコルチゾール)の不足を特徴とし、鉱質コルチコイド(アルドステロン)の分泌は正常であることが多いです。しかし、まれに非定型アジソン病でも鉱質コルチコイドが不足するケースがあり、その場合、電解質の異常が見られることがあります。

稀なケース

非定型アジソン病の一部のケースでは、糖質コルチコイドが正常でありながら、鉱質コルチコイドが不足する場合があります。この場合、電解質の異常(低ナトリウム血症や高カリウム血症)が見られ、定型アジソン病に似た症状を引き起こすことがあります。

まとめ

定型アジソン病と非定型アジソン病は症状や治療方法に違いがあり、診断と治療には細心の注意が必要です。定期的な血液検査と臨床症状のモニタリングを通じて、適切な治療を行うことが重要です。どちらの病型も、獣医師の指示に従いながら適切な投薬と管理を行うことが必要です。

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自己紹介(profile)

NEWS

冨澤敏夫(とみざわ としお)、1969年12月12日生まれ
資格(国家資格:柔道整復師、整体師)

好きな言葉:継続は力なり
特技や趣味:空手、太極拳、健康体操、映画鑑賞、仕事(整体業)、WEB関係
愛読書:原因と結果の法則
好きなアニメ:あしたのジョー、エースをねらえ!


はじめまして、私はさいたま市で整体院を開業しています。愛犬はトイプードルのももちゃんと心(しん)ちゃんと暮らしています。愛犬の病気をきっかけに、このコンテンツを立ち上げました。皆さんのお役に立てればと思い、わんちゃんの健康を中心に、犬の色々な情報を掲載しています。

  • ももちゃん(女の子 2012年5月生まれトイプードル)
  • 心ちゃん(男の 子2013年11月生まれトイプードル)

心ちゃんが遺伝的な病気を持ち闘病中です。

  • アジソン病2019年11月6歳
  • 進行性網膜萎縮症、白内障2023年7月
  • 甲状腺機能低下症2024年4月

上記は正式な診断を受け治療を開始した時で、発症はもう少し前からだと思います。

特に進行性網膜萎縮症は、初期症状に早く気づき早期予防をしていたら、進行をもう少し遅れさせられたかなと後悔しています。

わが家のわんちゃん、トイプードルは6歳の時(2019年)にアジソン病と診断され、投薬を続けています。

9歳(2022年)すぎてから、暗闇で目が見えにくくなり、進行性網膜萎縮と診断されました。治療がないということで放置をしていましたが、2023年に入り急激に白内障など進行して、目の専門の病院へ行き、正式に進行性網膜萎縮と白内障と診断されました。

現在は定期的な検査と、目サプリ・目薬で進行を遅らせています。現在は、2023年11月に体調を崩しててから、急激に左目がひどい白内障でしたが、右目も白内障がひどくなりました。今はたぶん見えない様子です。

2024/4/25に甲状腺機能低下症と言われ、今、投薬を開始しました。経過観察中!

下記は、愛犬の闘病記です。同じ病気を持つ飼い主さんの、役に立てればと

 

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