筆者:冨澤敏夫(柔道整復師) N2024/5/17

犬のアジソン病のACTH刺激検査とは?手順は?

Q:犬のアジソン病のACTH刺激検査とは?手順は?

A:ACTH刺激検査は、主に糖質コルチコイドであるコルチゾールの分泌反応を評価するための検査です。この検査は、副腎皮質の機能を評価するために使用されます。具体的には、以下のような内容です。

ACTH刺激検査の手順

  • 1.事前準備:
    • 絶食:検査前夜から絶食させ、検査当日の朝は食事を与えないようにします。
    • プレドニゾロンの投与:検査日の朝にはプレドニゾロンを投与しない(事前に獣医師の指示を確認)。
  • 2.基礎血液サンプルの採取:
    • 初回血液サンプル採取:検査開始時に、最初の血液サンプルを採取し、基礎(ベースライン)コルチゾール濃度を測定します。
  • 3.ACTHの投与:
    • 投与方法:合成ACTH(コスチロニン、コスチレンなどの商品名で知られる)を犬に注射します。投与量は犬の体重に応じて決定されます。
    • 注射部位:通常、筋肉内(IM)または皮下(SC)に注射します。
  • 4.時間経過:
    • 待機時間:ACTHを投与後、一定時間待機します。標準的には30分から1時間です。
  • 5.追加血液サンプルの採取:待機時間が経過した後、再度血液サンプルを採取します。このサンプルは、ACTH投与後のコルチゾール濃度を測定するために使用されます。
    • 再度の血液サンプル採取:待機時間が経過した後、再度血液サンプルを採取します。このサンプルは、ACTH投与後のコルチゾール濃度を測定するために使用されます。
  • 6.検査結果の解析:
    • コルチゾールレベルの測定:採取された血液サンプルからコルチゾールレベルを測定します。
    • 結果の解釈:基礎コルチゾール値とACTH投与後のコルチゾール値を比較して、副腎皮質の反応性を評価します。アジソン病の場合、ACTH投与後のコルチゾールレベルの上昇が見られないか、非常に低いです。

追加の注意事項

  • 獣医師の指示に従う:各ステップについては、獣医師の指示に従うことが重要です。
  • 犬の状態を観察:検査中、犬の状態を注意深く観察し、異常があれば獣医師に報告します。

ACTH刺激検査は、副腎皮質機能を評価し、アジソン病の診断や治療管理に役立つ重要な検査です。検査手順は、獣医師の指示に従って正確に行うことが求められます。

なぜ食事とプレドニゾロンの投与を控える必要があるのか

ACTH刺激検査の正確な結果を得るためには、事前にプレドニゾロンの投与を控えることが重要です。プレドニゾロンはコルチゾールと同様の作用を持つため、検査結果に影響を与える可能性があります。以下に詳しく説明します。

  • 1.プレドニゾロンの影響:
    • プレドニゾロンは糖質コルチコイドであり、体内でコルチゾールと同様の作用をします。したがって、検査の当日にプレドニゾロンを投与すると、血液中のコルチゾール濃度に影響を与え、ACTH刺激検査の結果が正確に反映されない可能性があります。
    • 検査の目的は、内因性(体内で自然に産生される)コルチゾールの基礎レベルとACTH投与後の反応を測定することです。外因性(投薬による)コルチゾールが加わると、内因性の反応を正確に評価できなくなります。
  • 2.食事の影響:
    • 食事自体がコルチゾールレベルに直接影響を与えるわけではありませんが、絶食状態での基礎状態を確立するために、通常は検査前に絶食させます。これは、他の代謝要因やホルモンバランスが安定した状態で検査を行うためです。

ACTH刺激検査の正確な結果を得るためには、検査当日の朝にプレドニゾロンを投与しないことが重要です。また、食事を抜いて検査を行うことで、基礎状態での正確なホルモンレベルを測定することができます。プレドニゾロンや食事が検査結果に影響を与えるため、これらの手順を守ることが推奨されます。

目的や個体差により、食後の採血時間が変わる!

朝食後の血液検査を受ける際の推奨待機時間については、一般的には食事後2~4時間程度を目安にすることが多いですが、具体的な状況によっては4~6時間や8時間程度の待機が必要とされる場合もあります。以下にそれぞれの理由と考え方を説明します。

  • A.2~4時間:
    • 理由:この時間範囲は、食事による急激な代謝変動が落ち着くための一般的な目安です。食後の消化活動が落ち着くことで、ホルモンレベルの測定がより安定した状態で行えることが期待されます。
  • B.4~6時間:
    • 理由:食事内容や犬の個体差によっては、消化や代謝の影響が長引く場合があります。4~6時間程度待つことで、さらに安定したホルモンレベルを測定できる可能性があります。
  • C.8時間:
    • 理由:一部の検査や特定の条件下では、完全に消化が終わり、ホルモンバランスが食事の影響を受けない状態にするために、より長い待機時間が推奨される場合があります。

食事後の待機時間は2~4時間が一般的な目安ですが、状況に応じて4~6時間や8時間程度の待機が推奨される場合もあります。最適な待機時間については、愛犬の具体的な状況に応じて獣医師と相談し、指示に従うことが重要です。

鉱質コルチコイドの分泌状態を詳細に調べるための検査には

Q:解質バランス(ナトリウム、カリウムなど)の鉱質コルチコイドの分泌状態を詳細に調べるときは、どんな測定検査がありますか?

回答は、「鉱質コルチコイドの分泌状態を詳細に調べる検査は?」を参考に

 

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自己紹介(profile)

NEWS

冨澤敏夫(とみざわ としお)、1969年12月12日生まれ
資格(国家資格:柔道整復師、整体師)

好きな言葉:継続は力なり
特技や趣味:空手、太極拳、健康体操、映画鑑賞、仕事(整体業)、WEB関係
愛読書:原因と結果の法則
好きなアニメ:あしたのジョー、エースをねらえ!


はじめまして、私はさいたま市で整体院を開業しています。愛犬はトイプードルのももちゃんと心(しん)ちゃんと暮らしています。愛犬の病気をきっかけに、このコンテンツを立ち上げました。皆さんのお役に立てればと思い、わんちゃんの健康を中心に、犬の色々な情報を掲載しています。

  • ももちゃん(女の子 2012年5月生まれトイプードル)
  • 心ちゃん(男の 子2013年11月生まれトイプードル)

心ちゃんが遺伝的な病気を持ち闘病中です。

  • アジソン病2019年11月6歳
  • 進行性網膜萎縮症、白内障2023年7月
  • 甲状腺機能低下症2024年4月

上記は正式な診断を受け治療を開始した時で、発症はもう少し前からだと思います。

特に進行性網膜萎縮症は、初期症状に早く気づき早期予防をしていたら、進行をもう少し遅れさせられたかなと後悔しています。

わが家のわんちゃん、トイプードルは6歳の時(2019年)にアジソン病と診断され、投薬を続けています。

9歳(2022年)すぎてから、暗闇で目が見えにくくなり、進行性網膜萎縮と診断されました。治療がないということで放置をしていましたが、2023年に入り急激に白内障など進行して、目の専門の病院へ行き、正式に進行性網膜萎縮と白内障と診断されました。

現在は定期的な検査と、目サプリ・目薬で進行を遅らせています。現在は、2023年11月に体調を崩しててから、急激に左目がひどい白内障でしたが、右目も白内障がひどくなりました。今はたぶん見えない様子です。

2024/4/25に甲状腺機能低下症と言われ、今、投薬を開始しました。経過観察中!

下記は、愛犬の闘病記です。同じ病気を持つ飼い主さんの、役に立てればと

 

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